2022.1.29
本を読んで久しぶりに大号泣した。
これまで多少泣くことはあっても、こんなにも涙が止まらなくなったのは初めてだ。おかげでごまちゃんがびっくりして顔を覗き込みにきたくらいだ。

猫沢エミさんの「猫と生きる。」
猫飼いさんは是非読んで欲しいと思う。猫だけでなく犬やペットを飼っている人みんな読んで欲しい。
筆者の大病や境遇も語られているが、すべて猫中心のノンフィクションとなっている。猫に対する愛が言葉の一つ一つに込められていて、最初から最後まで、私はずっと泣いていた。
筆者の飼い猫の病気、獣医さんとの関係、看取り方、安楽死のこと。フランス在住の筆者が母国日本との間を行き来する中で感じた国民性の違いから生ずる日本のペット社会に対する違和感など。猫沢エミさんならではの視点で、ユーモアと愛情溢れる表現で飼い猫たちの猫生が綴られている。
巻末には日本でお世話になった獣医さんとの対談、フランスの保護団体や獣医さんへのインタビュー、東京キャットガーディアンというNPO法人の取り組みを紹介している。日本とフランスと偏りなく紹介しているところが素晴らしいと思う反面、フランスに限らず欧米諸国の動物愛護に対する理解度の深さを思うと、日本はやっと入り口に立ったばかりのような歴然たる差を感じてしまう。
この本には俳優の石田ゆり子さんも登場している。筆者の仕事内容や交友関係も興味深い。
そしてなんと言っても、猫好きさんしか登場しない。猫飼いさんがたくさんの猫好きさんに助けられて、励まし合ったり、一緒に涙したり、猫への愛しかない、猫への愛で溢れかえった美しい本となっている。
そして読み終わった後、ごまちゃんに、ママのところに来てくれてありがとう、ママを選んでくれてありがとう、と今まで何度言ってきたかわからないくらいだが、あらためてありがとうを伝えた。
ごまはまだ齢2歳半。10年後元気だろうか。15年後病気と闘っていたりするのだろうか。
まだ早いと思いつつも、いずれやってくる別れの時を迎える心構えを今から少しずつでも身につけておかないと、その瞬間を迎えるとき、きっと私は壊れてしまうだろうと思った。
