最後は上り坂で終わりたい

2022.1.22

日本画家 堀文子さんをご存じでしょうか?

この本は紀伊國屋書店梅田本店の美術書コーナーで偶然見つけたのですが、迷わず即買いでした。

2019年2月に100歳で生涯を終えられるまで、堀文子さんの残した作品とその作品にまつわるエピソード、残された言葉などが紹介されています。

こういうジャンルの本に出会えるのも大型書店の良いところです。

以前の投稿で、私が日本画を習っていたことを紹介させていただきましたが、その時の日本画の先生の大学時代の恩師が堀文子さんであるということを授業で聞いたことがありました。

先生から聞いたお話では、堀文子さんは生涯独身で、好奇心旺盛な強い女性だった、ということ。

本で紹介されている堀文子さんの言葉やエピソードから感じる人物像も、全く同じ印象を受けました。

これから一人で生きていくことになった私の人生の道しるべになるような言葉を、意識していないつもりでしたが、書き出してみるとそんな言葉ばかり選んでいました。

特に印象に残ったものをいくつか紹介したいと思います。

「生きている限り、一ミリでも日々、向上を目指す。わたくしの最後は、上り坂で終わりたい。」

「きれいな一本の線で描いたような生き方では、決して物事を達成することはできません。」

「男とか女とかではなく、人として生きたい。」

「人は、過去に感動してきたものが、伏流水として出てくる。」

女性が独身を貫いてきた生きにくさを、現代とも違う時代背景を考えてみても、残された言葉から感じずにはいられません。

この本には、私を戒め、私の背中を押してくれそうな言葉たちがたくさん並んでいます。

これから何度も立ち止まり、この本を開いては勇気づけられることでしょう。

さて、絵画でも写真でも着物や器もそうですが、色彩と造形のあるものを見るのが大好きで、書店に行くと画集や写真集の売り場に立ち寄って、つい衝動買いをしてしまうことがあります。

もちろん、堀文子さんの画集も、1冊しか持っていませんが、私のコレクションの一つです。

私が特に好きな部分をトリミングしてみました。

木蓮の花

くわい

無花果

食べ物がちゃんと美味しそうに見えますよね。

日本画の技法も数が多く、奥が深くてよくわかりませんが、食べ物が食べ物としてちゃんと美味しそうに見えるということが大事なことはわかります。

日本画は薄い絵の具を何度も何度も、乾いては塗り、乾いては塗りを繰り返して、色を重ねて、複雑な色を出していきます。とても根気のいる作業なんです。

仕事で疲れた時、最近うまく行ってないよな~なんて感じてしまう時、ビジネス本はもちろんですが、自己啓発本ですら読むことに疲れる時があります。

自己啓発本なのに、余計に自分を追い込んでしまうくらい精神的に参ってしまってる時があります。

テレビの音ですら雑音になって耳障りな時があります。

そんな時私はボーッと美術本を眺めています。

美術本の活用方法として間違っているかもしれませんが、見ているだけで伝わってくるもの、見ているだけで癒やされるもの、のように、自分の好みに合わせた読まなくてもいい本を何冊か持っておくというのもいいもんですよ。

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